2025年4月27日
犬の乳腺腫瘍は、特に避妊手術をしていないメス犬に多く見られる腫瘍の一つです。
早期発見・早期治療が重要ですが、まずは病気の特徴や予防法について知っておくことが大切です。
1. 乳腺腫瘍とは?
乳腺腫瘍は、乳腺にできる腫瘍で良性と悪性のものがあります。
- ・良性腫瘍(約50%):成長が遅く、転移しにくい。
- ・悪性腫瘍(約50%):増殖が早く、肺やリンパ節へ転移するリスクがある。
悪性腫瘍の代表例として乳腺癌があり、放置すると進行しやすいため注意が必要です。
2. どの犬に多い?
乳腺腫瘍が発生しやすい犬には以下の特徴があります。
- ・避妊手術をしていないメス犬(特に6歳以上)
- ・小型犬に多い(ダックスフンド、トイプードル、チワワなど)
- ・ホルモンの影響を受けやすい犬種
また、ホルモンの影響が関係しており、初回発情前に避妊手術を行うと発生率を0.5%以下に抑えられることがわかっています。
3. 乳腺腫瘍の症状
初期の乳腺腫瘍は小さなシコリとして現れることが多いです。
✅ 乳腺にしこりがある(片側 or 両側)
✅ しこりが徐々に大きくなる
✅ 皮膚が赤くなったり、潰瘍ができる
✅ 触ると硬く、動きにくい腫瘍
無症状でも進行していることがあるため、定期的なチェックが重要です!
4. 診断と治療
乳腺腫瘍の診断には以下の方法があります。
- ・視診・触診(しこりの確認)
- ・細胞診(針で細胞を採取し検査)
- ・X線検査・超音波検査(転移の有無を確認)
🐾 治療の基本は手術!
悪性腫瘍の場合、早めの外科的切除が推奨されます。
また、転移がある場合は抗がん剤や放射線治療が適用されることも。
こちらは外科手術で、片方の乳腺を全て摘出した手術の術前と術後です。
複数の乳腺に腫瘍をができているときや、再発をしっかり予防するためには、
すべての乳腺を摘出することも推奨されます。


5. 乳腺腫瘍は予防できる?
一番の予防法は避妊手術を適切なタイミングで行うことです。
- ・初回発情前に避妊手術 → 発生率 0.5%以下
- ・2回目の発情前に避妊手術 → 発生率 8%
- ・3回目以降の避妊手術 → 予防効果が低下
📌 論文データより アメリカ獣医学会(AVMA)の研究では、
「初回発情前に避妊手術を行った犬の乳腺腫瘍発生率はわずか0.5%」 と報告されています。
まとめ
🐶 犬の乳腺腫瘍はメス犬に多く、避妊手術で大幅に予防できる!
🐶 しこりを見つけたら早めに病院へ!
🐶 悪性の可能性もあるため、手術を検討することが大切!
愛犬の健康を守るため、日頃からお腹周りを触る習慣をつけましょう。 気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
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