2025年11月25日
わんちゃんの目の下が赤茶色に染まってしまう「涙やけ」。
見た目だけでなく、体が出しているサインのひとつです。
当院でもご相談の多い症状なので、今回は 涙やけの原因・ケア・治療 について分かりやすくまとめました。
👀 涙やけはどうして起きるの?
涙やけ(流涙症)は、涙が多く出たり、涙の通り道が詰まったりして、
涙があふれてしまうことで起こります。
原因はひとつとは限らず、いくつかが重なっている場合も少なくありません。
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🔍 涙やけの主な原因
① 涙が多く出てしまうタイプ
目に刺激があると、涙は増えます。
涙が多いほど、あふれて涙やけにつながります。
✔ アレルギー
✔ 逆さまつげ
✔ 毛が目に当たる
✔ 結膜炎・角膜炎(目の炎症)
✔ マイボーム腺のつまり(最後に配置)
┗ まぶたの縁にある“油を出す腺”が詰まり、涙が蒸発しやすくなり、目が乾いて刺激となり、結果的に涙が増えます。
② 涙の通り道(鼻涙管)が詰まるタイプ
涙の排水路である鼻涙管が細かったり、炎症で詰まると涙があふれます。
✔ 生まれつき細い犬種(トイプードル、マルチーズなど)
✔ 鼻涙管の炎症・腫れ
✔ 加齢や感染
✔ マイボーム腺の働きが弱く、涙の質が変わることで詰まりやすくなることも(最後に配置)
③ 顔の構造によるタイプ
涙がこぼれやすい目の形・顔つきの子もいます。
✔ 短頭種(フレブル・パグなど)
✔ 目が大きく、涙がこぼれやすい形
✔ 涙がたまりやすい顔の構造
✔ マイボーム腺の働きが弱い体質 → 涙が蒸発しやすく涙が増えることも(最後に配置)
🔎 マイボーム腺のつまりってなに?
マイボーム腺は、まぶたのフチに並んでいる「油(あぶら)」を作る腺です。
この油は涙の表面に膜を作り、涙がすぐ蒸発しないよう守る役割があります。
しかし、
マイボーム腺がつまる
↓
油が出ない
↓
涙が蒸発しやすい
↓
目が乾いて刺激になる
↓
その刺激で“涙が増える”
という流れで 涙やけの原因 になります。
よく見られるサイン
・目ヤニが多くなる
・まぶたの縁が白くポツポツして見える
・目がしょぼしょぼしている
・涙が増える(左右どちらかだけのことも)
🏠 お家でできる涙やけケア
1. 目元の拭き取り
清潔に保つことが基本です。
専用のシートやぬるま湯で優しく拭いてあげてください。
2. 毛のカット
目に当たる毛が刺激になる場合もあります。
3. 食事の見直し
添加物が少ないフードやアレルギー対応食で改善する場合も。
4. 室内環境の改善
乾燥やホコリは目の刺激になります。
加湿や換気、掃除も効果的です。
🏥 動物病院でできる治療
まずは 何が原因で涙やけが起きているのか を見極めることが大切です。
1. 眼科検査
逆さまつげ、炎症、角膜の傷、鼻涙管の状態などをチェックします。
2. 鼻涙管洗浄
涙の通り道が詰まっている場合に行います。
3. マイボーム腺ケア
🔥 温めるケア(ホットアイマスク)
電子レンジで蒸しタオルを作り、1分くらい目に当ててから瞼をマッサージします。
固まった油を溶かして流れを良くします。
🤲 まぶたのマッサージ
油が出やすくなるようサポートします。
💊 点眼・内服
炎症や細菌が関わっている場合に使用します。
🧼 目元の洗浄
目ヤニの量が多い場合は清潔にします。
4. 逆さまつげの処置
刺激を取り除くことで涙が減ります。
5. アレルギー治療
アレルギーが関わる涙の増加を抑えます。
❗ こんな時は受診がおすすめ
• 涙の量が急に増えた
• 片目だけずっと涙が多い
• 目ヤニが増えてきた
• 涙やけがどんどん濃くなる
• 目の周りが赤くただれている
• まぶたのフチに白いポツポツがある
• 繰り返す涙やけで悩んでいる
🐾 最後に
涙やけは「体質だから仕方ない」と思われがちですが、
実は 原因を見つければ改善できるケースが多い 症状です。
当院では、
・その子の涙やけの原因
・お家でのケア方法
・必要な治療
を分かりやすくお伝えし、負担の少ない方法をご提案しています。
気になることがあれば、お気軽にご相談くださいね。
東海市
だいき動物病院
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